生理痛とは、生理期間及びその前後に起こる下腹部痛、腰痛や頭痛などの痛みのことをいいます。このほか、吐き気、肩こり、便秘、食欲不振などの症状を伴うこともあり、家事や仕事など日常生活に支障を来たすことを悩んでいる方が沢山います。統計によれば、日本の女性も中国の女性も80%は『生理痛』の悩みを持っています。

中医学によると、生理痛の病因病機は五つの型(種類)に分けられます。
① 気滞血欝 ② 寒凝血鬱 ③ 血熱閉阻 ④ 精血虧損 ⑤ 陰虚挟鬱
の五つ型(種類)です。

月経前の疼痛は気滞血鬱に属し、
月経中の疼痛は血熱閉阻に属し、
月経後の疼痛は陰虚挟鬱に属します。

中国医学では气滞・血欝・痰阻は胞中(子宮)の中に凝滞し、血流が阻まされ(はばまされ)、「不通則痛」(通じないと痛む)であり、陰虧・失血・气虚は「不栄則痛」(営養が足らずと痛む) に至ったものであります。

原発性の生理痛の針灸治療は非常に効き目(96.4%の効果)があります。針灸の治療は痛みを抑える著しい作用が有るだけではなく、全身の病状を改善し、内分泌の機能と月経の周期を調整することもできます。一般的に、2~4周期に渡り継続的な治療を行うと、快癒することができます。

当院、針灸治療生理痛の数ある中の典型的な一症例

  • 札幌市中央区、女性患者、21歳
  • 初診日 2011年7月4日

5年ほどまえから生理痛があり、生理の中の最初の日1日目から2日目の出血量が少なく、黒い血塊になっていることが多く、お腹に引っ張られるような痛みがありました。手足もほてり、頭痛、吐き気、食欲不振などの症状を訴えていました。婦人科の検査では異常なし、いつもバファリンを2日間くらい服用していましたが、最近効き目がなくなりました。
本症例は気滞血欝に属し。

治療原則:
活血化鬱・行気止痛とする。

3回の針治療で各症状が全部消えました。3ヵ月後、痛みと頭痛が再発しましたが,引き続き同じ治療法で4回の治療を行ったところ、痛みが消え、次の生理が正常に回復し、その後、再発も見られません。(2012.1.10)