8月7日はもう立秋になりました。立秋は二十四節気の中の第13の節気です。
二十四節气
春季:立春 雨水 啓蟄 春分 清明 穀雨
夏季:立夏 小満 芒种 夏至 小暑 大暑
秋季:立秋 処暑 白露 秋分 寒露 霜降
冬季:立冬 小雪 大雪 冬至 小寒 大寒
秋は旧暦の7、8、9月を指し、立秋を含んで、処暑、白露、秋分、寒露、霜降の6つの節気があります。
立秋~処暑までは、まだきびしい残暑があり、温度はわりに高く、その他、長雨が続き、湿気は比較的高いです。この季節は蒸し暑さがまだ厳しい猛威をふるうため、俗に「秋老虎」と言われることがあります。“白露”を過ぎたら、雨はだんだん少なくなり、乾燥し、気候は寒暖の差が激しいため、風邪を引きやすく、持病のある方も再発しやすい季節iになります。
中国医学では季節の変化が人体に影響を及ぼすことについて、秋季に肺気を損ないやすい理論を総括し、人々にこのめまぐるしく変わりやすい季節に疾病の発生を免れるため、肺気を養うべきだと呼びかけていました。
中国医学によると、人体は乾燥した気候の環境の中で、 “津虧液少”の為 色々な“乾燥症”が現われると言われています。例えば、秋の咳は、肺が乾燥していて痰を伴わない空せき、或いは痰がのどに絡むと見られるため、“燥咳”と称します。鼻は肺の穴(あな)であり、鼻の乾燥、あるいは鼻血が立秋後にもよく見られる症状です。喉頭(こうとう)と咽頭(いんとう)は肺の門戸と肺気の通路であり、秋の乾燥が襲う(おそう)ため、口の乾燥と声がかすれる等の病症を招くことになります。
このほか、肺と大腸は密接な関係を持ち、中国医学では“互いに表裏”と言われています。例えば乾燥によっておこる「肺燥」は大腸まで転移すると、 「腸燥」になり、そして便秘することになる…等々。それはすべて「秋燥」との関係があるのです。
秋燥は人体の各臓腑に関連する影響があるけれども、しかし、予防治療の方法もたくさんあります。これがいわゆる「木之為舟,无水不行;治燥之法,以潤為貴。」だという古言であります。秋季の乾燥の特徴によって、「防燥護陰」、「養陰清熱」、「清心安神」、「健脾補肝」、「滋陰潤肺」を主として、余熱を清め、津液を生じさせ、肺を潤い食材摂取すべきであります。
例えば、果物、野菜、このほか、ゴマ、蜂蜜、クルミ、ユリ、もち米、落花生、山芋、シロキクラゲ、小赤いナツメ、蓮子などの食材を選ぶ、辛い物、油揚げもの、および乾燥膨張食品などは控えます。
一方、立秋後の精神的な養生は非常に重要であります。気持ちが伸び伸びすることを維持し、悲しみ愁えることを避けるべきであり、避けなければなりません。日常生活の養生は『黄帝内経・素問・四気調神大論』篇に「鳥のように早く寝て、早く起きるとよい…」等と言われ、人々に、早寝早起をすべきであり、人体の中の陽気を養生することができ、「養収之道」の養生原則を教えています。
立秋後の朝の運動、体を鍛え、体質の増強等の事も非常に健康に有益です。
◆秋季の飲食では、滋阴潤肺、益胃正津を基本原则にする◆
晩秋の時期、朝食は粥を食べると最も人を養って、潤燥滋陰、益胃生津、養生に有益です。
中国医学の本にも朝食に粥を食べると、古きを退けて新しきを出す「利隔養胃」、「生津液」、人を1日すがすがしい気持ちにさせるという言葉があります。
ですから、秋季に年寄りの方や胃が弱い方が朝食に粥を食べる方法を取り入れて余熱を清め、津液を生じさせ、肺の潤いを促進することは最も適切です。
例えば
1、[ユリ、赤いナツメ、もち米粥]は滋陰養胃
2、[ユリ、蓮子、うるち米粥]は潤肺益腎
3、[ユリ、杏仁、うるち米粥]は咳止去痰
4、[クルミ、うるち米粥]は潤肌防燥
5、[マツの実、うるち米粥]は潤肺益腸
6、[山芋、うるち米粥]は健脾固腸
7、[甘菊、クコ、うるち米粥]は護肝補腎……等々。
おのおの自分の実際の情況によって異なる粥を選んで、臓腑陰陽、血気調和、身体の栄養を補給することができます。
◆秋季に乾燥を潤す為、多めに“五仁”を食べる◆
“五仁” (“仁”とは【さね 実】のことを指す。)との効果、適応症
一、クルミ
【効果】 潤肺補腎、咳止去痰、润燥滑肠、活血行瘀。
【適応症】血瘀 生理痛、便秘、肠癰疽
クルミは優良品質の蛋白質が多く含まれ、生命の活動を維持する最も基本的な栄養素です。それ以外、フォスファチドと多種脂肪酸の成分が含まれ、細胞の活性を増加することができ、脳神経の機能、皮膚、毛髪の伸びなどが重要な役割を果たします。
又、コレステロールを下げ、高血圧、動脈硬化、冠状動脈性硬化症などの予防することに対して有益であります。
二、杏仁
【効果】 補肺助脾,潤肠通便,益皮膚。
【適応症】 皮膚乾燥、便秘
杏仁は蛋白質、脂肪、炭水化物、カロチン、B族ビタミン、ビタミンC、ビタミンPとカルシウム、燐、鉄のなど栄養の成分が大量に含まれています。
三、落花生
【効果】 滋補脾胃、潤肺化痰、抗衰益寿、補血生精
【適応症】 栄養不良、脾胃失調、貧血、咳、喘息、便秘
落花生はかねてから“長生果”の美称があり、豊富な脂肪、レシチン、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンEとカルシウム、燐、鉄などの元素が含まれています。
常に、落花生を食用すると滋養強壮、寿命を延ばす作用があります。
四、ゴマ
【効果】潤燥滑腸、滋補肝腎
【適応症】皮肤干燥、便秘、眩晕、
五、蓮子(蓮の実)
【効果】 滋陰潤燥、養心安神、益肾固精、補脾
【適応症】脾虚久瀉、心悸不眠、腎虚遺精
(できれば、シロキクラゲ、ユリ、山芋と一緒に食用すれば、効果はもっと良い。)
このほか
赤いナツメ
【効果】補中益気、血に滋養を与える。
【適応症】脾胃虚熱、貧血、出血、
クコ
【効果】、肝腎を滋補い、養肝明目、潤肺咳止め
【適応症】 虚労、腰膝の無力、めまい、頭痛、消渇など
◇立秋後の食養 ―「粥」 ◇
【効果】
五つの実は秋に最適な食品です。中医では、五つの実には脾の働きを助け、消化を促進させ、腎臓の働きを活発し、肺を潤す、腸を潤い、虚労を補う、津液を生成等の滋養効果と言われています。
五つの実(五仁)の食材:
一、杏仁20グラム
二、蓮子(ハスの実)15グラム
三、落花生30グラム
四、芝麻3グラム
五、クルミ30グラム
小赤いナツメ20グラム、クコ5グラム、うるち米100グラム、氷砂糖適量
作り方:
上記食材を全部土鍋に入れ、強火で15分くらい煮た後に弱火にして、トロトロになるまで煮る。氷砂糖を適量加えて、完成。
【効果】
中医の[論治解説]に杏仁は苦・温で、肺と大腸経に帰経する。 咳止、喘息、去痰、便通をよくする作用であり、胃腸の調節の効果もあります。秋季に喘息、咳の治療には最も良薬です。
19世紀の中国の民間にはすでに杏仁茶と杏仁粥で腸癌、肺癌と食道癌を治愈した文献に記載されています。
食材:
杏仁20グラム、シロキクラゲ10グラム、もち米100グラム、蜂蜜は適量。
作り方:
1、杏仁をきれいに洗った後、煮沸して、多めの水(分量外)に4時間漬けてから皮を剥いて、ミキサーにトロトロになるまでかけておく。
2、白キクラゲは洗って,30分漬ける。
3、もち米、1と2を土鍋に入れ、強火で10分煮た後に弱火にして、トロトロになるまで煮る。蜂蜜を適量加えて、完成。
2010/08/18